初めてのhomesick

昔から逃げ隠れるのは
得意だった。

私は小さな頃
両親が共働きだった為
保育園に入れられていた。

“太陽”と名付けられたその保育園を
私はとても嫌いだった。

それは元々食が細く偏食だった私に
先生が無理やり給食を食べさせ
食べられないとみんながお昼寝の
時間まで一人給食を食べさせられた。

それがトラウマになったからだ。
未だに給食の香りがすると
あの嫌な感じを思い出す。

ある日から私の登園拒否は始まった。

母の出勤の時間に
保育園に連れて行かれる為
その時間までに
私は色々な所に隠れた。

ソファーの下や押入れ、タンスの上や
それに犬小屋の犬の後ろにも隠れた。

しかし私を散々探していた母も
見つける方のプロになっており、
毎朝保育園に連行されていた。

ある日いつもの通り隠れている所を
見つかり行きたくないと駄々をこねているとおじいちゃんが
“今から箱根に行くがセイイチも行くか?”
と言ってきた。

祖父はボロボロの車一台で
母におにぎりを2つ作ってもらい
色々な所へふと旅に出る人だった。

その日のおにぎりは3つになり
私はおじいちゃんと初めての旅に出た。

保育園に行かなくてよい嬉しいさと
初めて見る景色の新鮮さに
私はとてもはしゃいでいた。

箱根の民宿に着き
おじいちゃんとの夜。

急にやってきた両親がいない不安と
恐怖に私は大号泣しおじいちゃんを
大いに困らせた。

人生初めてのホームシックである。

散々泣き喚いた結果
おじいちゃんは私を連れて
家に帰ってきてくれた。
(天国のおじいちゃん本当ごめんね)

その夜両親の布団の間で、
安心して眠りについた。

歳を重ね日々を生きている。
大人になってもあの日の給食のように
逃げ隠れたいような事が沢山起こる。

でもあの日のように
強い風から守ってくれる両親は
近くにはいない。

強く生きていかなくては
いけないのだ。

そして今になって思う
両親の優しさを痛烈に感じる
この頃である。

いつかは誰かを守れる強さを
つけたいと思った。


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