みんなの戦争

ドブロクというバンドの新しいCD
“みんなの戦争”のアレンジと楽器提供を
数曲させて頂いた。

私は中学生の頃とても仲の良い友達がいた。彼とは学年が変わっても
部活が違くても関係は変わらず
休日は私の家でカップラーメンを買ってきて、残ったスープにご飯を入れて食べる位
仲が良かった。

しかしある朝学校に行きいつも通り
話かけると何も答えてくれない。
それどころか露骨に避けられていた。
シカトが始まったのである。

私は彼に何か悪い事をしてしまったのかもしれない、何をしてしまったんだろう。と考えたり、彼の家に直接行って謝ったりもした。
が状況は変わらなかった。

結局それは卒業まで続き中学卒業まで
彼と話す事は出来なかった。

その日々はとても辛く学校へも
行きたくなかったし、現に休みがちだった。
(この頃ギターを購入してそれに夢中だっというのもある)

別々の高校になってからも
この事は私のこころの端っこに
モニョモニョ感として残り続けた。

そんなある日彼が甲子園をかけた一戦
があり友達家族と応援に行った。

エースピッチャーだった彼は9回を投げ抜き見事出場を決めた。

泣いて喜んだ。

でもこころの端っこには
どうせ嫌いなおれに喜んでもらっても
嬉しくないだろうなと思っていた。

ある日彼はお礼をしに私達に逢いに来た。

そして彼はここ数年の事が何なかったのように普通に話かけてきたのである。その後仲は戻りそこからは普通に話が出来るようになっていたが、あの期間はなんだったんだ?
と謎は残ったまま。

一度だけ彼にこの件について
聞いて見たことがあった。

彼は”まぁ。。”と言い何も話して
くれなかった。

おれのこころの端っこにある
モニョモニョはホコリを被ったまま
今もまだ居続けている。

戦争というものは形が色々あって
当時のおれはこんな戦争をしていた。

日々人は戦いながら生きていて
色々な戦争を抱えていると思う。

大きい、小さいは無い。

完全に無くなる事はないけれど
それぞれの戦争が出来るだけ
少なくなって欲しいと心から思う。