大阪から東京へ来た
音楽の仲間との呑みの後、
心がざわつく電話が来る。
うちの母親は夜中の電話は
いつでも怖いと言っていた。
その大体が悲しい内容の
電話だからだ。
落ち着かない心
考え込む頭
車窓が映しこむ嫌いだった街
大切な人達の久しぶりの顔
病院の前では
祭りがやっていた。
昔だったらこんな時に
祭りなんてやって
はしゃいでるんじゃねえよ
ってイラつく事もあったが
よくも悪くもその気持ちは
今の自分には無くなってしまった。
一気に老け込んだように
見える母の顔
再開が久々だったのか
無理をしてしまい
彼女の体調が急変してしまい
こっちも生きた気がしなかった。
助けてくれる叔母の顔
これからの話
書類の手続き
帰りの車内の
大丈夫と絞り出す妹の声
徐々に近づく東京の街並み
メールくれる母の言葉の弱さ
メールくれる母の優しさ
こんな、時なのに。
一回一回のメールで涙が止まらない
イヤホンから流れる
ドブロクのピミツ
いつだっていつだって
おれは大切な人に
恩返しができていない
大切な人には
最大に幸せになって欲しい